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数字で見る難民情勢 (2007年)

数字で見る難民情勢 (2007年)
© UNHCR/E.Denholm, December 2007

数字で見る難民情勢 (2007年)

(以下の数値は2008年6月にUNHCR本部において発表されたGlobal Trends 2007の統計に基づき、予告なしに変更する場合があります。最終的な数値はGlobal TrendsのTable 1をご参照ください。)

概要

2008年1月1日現在、UNHCRの「支援対象者(people of concern)」は世界で約3167万人。2007年1月1日時点の支援対象者数は3290万人だった。支援対象者には、庇護希望者、難民、国内避難民、帰還民、無国籍者などが含まれる。

世界規模での調査によると、2007年末、国外に逃れ、難民となった人の数は2006年から4.2%増加の1139万人、紛争や迫害によって国内避難民となった人の数は2027万人であり、家を追われたUNHCRの支援対象者が過去最高を記録した。

2007年に難民の数が増加した背景にはイラク及びアフガニスタン情勢の不安定さが大きな要因とされる。2007年に最も多く難民を受け入 れた国はパキスタンであり、シリア、イラン、ドイツそしてヨルダンなどが続いた。国内避難民については、世界23か国に合計1370万人がUNHCRの支援対象として存在し、コロンビアに 300万人(コロンビア憲法裁判所推計)、イラクに240万人、コンゴ民主共和国に130万人、ウガンダに120万人、ソマリアに100万人がいる。

表1 UNHCRの支援対象者数 地域別
地 域
支援対象者
2006年末
支援対象者
2007年末
アフリカ
9,752,600
10,731,600
アジア
14,910,900
13,725,600
ヨーロッパ
3,430,500
3,033,800
ラテンアメリカ、カリブ地域
3,542,500
3,571,800
北アメリカ
1,143,100
578,400
オセアニア
85,700
36,600
合 計
32,865,300
31,677,800

 

難民 1139万人

UNHCRの任務の基盤となる難民条約は、「難民」を「人種、宗教、国籍、政治的意見や特定の社会集団に属することを理由に、自国にいると迫害を受ける十分な恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義している。地域条約――1969年のOAU(アフリカ統一機構)難民条約そして1984年のカルタへナ宣言 など――がこの定義を拡大し、戦争や内戦を理由に自国から逃れた人々も難民として見なされるようになった。現在147か国が1951年の「難民の地位に関する条約」(難民条約)と1967年の同「議定書」のいずれか一方、あるいは両方に加入し、難民条約そして地域条約による難民の定義を受け入れている。UNHCRの難民数はこれらの定義にあてはまる人々(9,679,386人)、および実際的またはその他の理由で、難民の地位が確かではないものの、自国の外におり、難民と同じような危険があり、保護を受けている人々 (1,711,284人)の数を示す。

表2 難民出身国 (2007年12月31日現在) 上位10か国 注(1)
難民の出身国
難民が庇護を受けた主な国
合 計
アフガニスタン イラン/ロシア/ウズベキスタン/インド/カザフスタン/パキスタン
3,057,661
イラク ヨルダン/トルコ/シリア/レバノン/エジプト/イラン/インドネシア/マレーシア
2,309,246
コロンビア エクアドル/アメリカ合衆国/カナダ/スペイン
551,744
スーダン ウガンダ/エチオピア/ケニア/中央アフリカ共和国/コンゴ民主共和国/エジプト/チャド/イスラエル/シリア
523,032
ソマリア ケニア/エチオピア/シリア/エジプト/ウガンダ/トルコ
457,357
コンゴ民主共和国 ザンビア/ブルンジ/マラウィ/ウガンダ/タンザニア/ジンバブエ/コンゴ共和国/ルワンダ
370,374
ブルンジ タンザニア/マラウィ/コンゴ民主共和国
375,727
パレスチナ占領地注(2) ヨルダン/イラク/シリア
341,236
べトナム タイ
327,776
トルコ イラク
221,938
注(1) 難民として認められた者の他に、難民の地位が確かめられないが、難民と同じような危険から保護受けている人数も含まれる。
注(2) UNHCRが支援対象としているパレスチナ難民のみ。

表3 2007年中の大きな難民の動き 上位10か国(出身国別)
出身国
主な庇護国
合 計
イラク注(1) シリア
135,550
ソマリア ケニア
41,160
中央アフリカ共和国 カメルーン
30,940
チャド スーダン
20,000
コンゴ民主共和国 ウガンダ
19,320
スーダン チャド
7,800
スリランカ インド
3,800
ミャンマー タイ
2,660
トルコ イラク
1,970
セネガル ガンビア
600
注(1) イラク難民が逃れた庇護国の中には、UNHCRにより個別登録された人のみしか分からない国も含まれている。

 

庇護希望者 73万9986人 
(2007年以前に申請した人数 103014人と2007年度のみの申請者 63万6972人の合計)

人々が自国を逃れ他国で保護を求めるとき、彼らは庇護申請をする。これは、法的に「難民」として認定してもらい、その国から法的な保護と物理的な援助を受ける権利を申請することである。

2007年の1年間で、世界154か国の政府、あるいはUNHCRの事務所へ庇護を求め、難民申請した数は約64万7200人にのぼり、2006年比で約5%増、過去4年間で初めての増加を記録している。理由は主にヨーロッパ諸国へ庇護を求めたイラク難民の多さに起因するものとしている。国別で見れば、最も多く新規の庇護希望者を出した国は5万2000人のイラクであり、4万6100人のソマリア、3万6000人のエリトリア、2万3200人のコロンビア、2万1800人のロシア、2万1600人のエチオピア、2万700人のジンバブエが続く。

2007年に庇護申請が最も多く提出された国は、アメリカ、南アフリカ、スウェーデン、フランス、イギリス、カナダそしてギリシャである。『グローバル・トレンド』は庇護国間に存在する難民認定率 の違いに懸念を表明している。

 

国内避難民 1374万400人

設立時の任務に定められていなくとも、UNHCRは国連事務総長や国連総会の要請によって、ある特定の集団に属する人々を保護・援助することがある。こうした活動の対象となる人々には、難民と同じ状況にあるが、国境を越えずに自国内にいる国内避難民が含まれる。

2007年中、紛争によって影響を受け、国内避難民となった人の数は2440万人から2600万人へと増加した。UNHCRが直接、間接的に保護や支援を行う国内避難民の数は現在、2006年の1280万人から1370万人へと増加している。コロンビアに300万人(コロンビア憲法裁判所推計)、イラクに240万人、コンゴ民主共和国に130万人、ウガンダに120万人、ソマリアに100万人が国内避難民として家を追われている。

表4 UNHCRの支援を受けている国内避難民の推定数 上位10か国 (2007年末現在) 注(1)
国内避難民数
コロンビア注(2)
3,000,000
イラク
2,385,900
コンゴ民主共和国
1,317,900
スーダン
1,250,000
ウガンダ注(3)
1,236,000
ソマリア
1,000,000
コートジボアール
709,000
アゼルバイジャン
686,600
スリランカ
459,600
セルビア
226,400
注(1) UNHCRが保護し、支援している国内避難民の数値のみが反映されている。
注(2) コロンビア憲法裁判所によると、実状の規模と政府の登録数とは、大きな隔たりがあるとしている。最新の判決によれば、コロンビアの国内避難民は300万人近いと引用している。(Order of Compliance 218, dated 11 August 2006, related to the Landmark Judgment T-025)
注(3) 国内避難民キャンプ及び中継所にいる人々の数である。彼らは、既に故郷へ戻った57万9000人と一緒に、UNHCRの支援を受けている。

 

無国籍者とその他の支援対象者 300万5930人
(無国籍者 293万7315人、その他の支援対象者 6万8615人)

UNHCRは法的に認められた「難民」以外にも支援対象者の枠を広げて、大規模な支援を行っている。正確な数の把握は難しいが、無国籍者は世界で推定数百万人存在するといわれる。世界人権宣言には「すべて人は、国籍をもつ権利を有する」と定められており、無国籍に関する条約として、1954年の「無国籍者の地位に関する国際条 約」と1961年の「無国籍の減少に関する条約」の2つが挙げられる。

2007年は54か国から提供された情報をもとに大幅に改善された。これは各国での理解の高まりに寄与するものである。しかしながら、無国籍者の情報を集めるためのさらなる努力をUNHCRは必要とする。

2007年は、無国籍者とみなされていた人のうち、およそ300万人が減少した年でもあった。ネパールにおける約260万人への市民権付与、バングラデッシュにおける市民権付与の結果とされている。しかし、未だ世界には1200万人の無国籍者がいる。

 

帰還民 73万640人
(2007年に帰還した国内避難民 約207万人)

難民の大部分は、状況が許せばできるだけ早く故郷へ帰ることを望む。難民が帰還を望む時期は、紛争が終わり、社会の安定がある程度回復し社会基盤が再建さ れている時期と重なる。UNHCRは、家を追われた人々にとって自主的帰還が最良の解決であるとし、これを奨励している。UNHCRは帰還民に対し、移動手段や補助金、そして生活を始めるためのキットを提供することもある。実用的な援助(農具や種などの供給)や家、学校、診療所、道路の再建支援も行う場合も ある。状況がまだ不安定な場合、現場の職員は帰還民の生活状態をモニターすることがある。このような活動の期間はまちまちだが、2年を超えることはまれである。帰還後2年が経過すると他の機関によって行われる長期的な開発のための援助がよりふさわしくなる。

UNHCRの自発的帰還プログラムにより、37万4000人がアフガニスタンへ、13万700人が南スーダンへ、6万人がコンゴ民主共和国へ、4万 5400人がイラクへ、4万4400人がリベリアへ帰還し、合計でおよそ73万1000人が故郷へ戻ることができた。また、2007年には約207万人の国内避難民も故郷へ帰還した。

表5 2007年中の大きな帰還の動き 上位10か国(帰還先別)
出身国(帰還先)
帰還元(主な庇護国)
合 計
アフガニスタン イラン/パキスタン
373,856
スーダン ケニア/エジプト/エチオピア/ウガンダ/シリア/中央アフリカ共和国/コンゴ民主共和国
130,693
コンゴ民主共和国 タンザニア/コンゴ共和国/ザンビア/ルワンダ、
59,835
イラク シリア
45,420
リベリア シエラレオネ/ガーナ/ギニア/コートジボワール
44,359
ブルンジ タンザニア
39,817
アンゴラ コンゴ民主共和国/ザンビア/コンゴ共和国
12,017
ルワンダ コンゴ民主共和国
9,501
トーゴ ベナン/ガーナ
3,398
ボスニア・ヘルツェゴビナ 不明
3,092

 

第三国定住 9万9000人

難民の中には本国で続いている迫害のために、帰国を望まない、あるいは帰国できない者もいる。このような状況で、UNHCRは難民が庇護国あるいは 第三国で新しい生活を始められるよう援助する。多くの国は、危機の発生直後に難民の一時的な受け入れには同意をするが、難民のために毎年恒常的に定住枠を 設けている国は20か国以下にすぎない。

第三国定住への事例照会は2007年に大きく増加し、UNHCRが受け入れ国へ提出した案件数は、昨年比83%増で過去15年で最高となる、9万 9000人であった。しかし、第三国への定住者は、世界の難民数の1%以下にとどまっている。2007年末までに7万5300人の難民が14か国 へ第三国定住を果たし、そのうち4万8300人がアメリカへ、1万1200人がカナダへ、9600人がオーストラリアへ、1800人がスウェーデンへ、 1100人がノルウェーへ、740人がニュージーランドへ受け入れられた。出身国別では、主にミャンマー、ブルンジ、ソマリア、イラク、コンゴ民主共和国、アフガニスタンからの難民が多数を占める。

表6 主な難民第三国定住受け入れ国 (2007年中) 注(1)
アメリカ注(2) 48,300
カナダ 11,200
オーストラリア 9,600
スウェーデン 1,800
ノルウェー 1,100
ニュージーランド 740
注(1) 各国政府統計
注(2) 家族の再統合を目的とした定住も、含まれている。
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